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「鉄」を素材に彫刻家5人がグループ展−千駄木のギャラリーで
千駄木のギャラリー「kingyo」(文京区千駄木2、TEL 050-7573-7890)で6月12日より、5人の彫刻家による鉄を素材に使った企画展「NEW HEAVY −東京ミーティング−」が開催される。
同展は、阿部守さん、大槻孝之さん、海崎三郎さん、サトル・タカダさん、塚脇淳さんによるもの。共通の素材から「鉄を通して身体と労働の意義が芸術化してゆく過程」の違いを表現。「制作」を「イメージと現実の間で実感としての人間性を求める行為」「思考する身体と芸術のアイデンティティーを求める行為」と位置付け、彫刻を「作家の身体の化身」として捉えた展示を行う。「ものの本質に迫ろうとし、原初的な考えに沿った探求を続ける作家は少なくない」としたうえで、それに対する探求の姿勢と意味を踏まえて、同展を「NEW HEAVY」と名付けたという。同コンセプトからの企画展は、2005年に兵庫県神戸市のアートスペース「CAP HOUSE」でも行われた。今回の企画展は、舞台を東京に移しての試み。
国際鉄鋼彫刻シンポジウムなど、世界各国で「鉄」を素材に表現活動を行い、「人間の歴史にとって重要な鉄の存在と身体を巡って表現している」と自身の活動を評する阿部さんは、福岡教育大学美術教育講座で教授を務めている。今回の展示では、「あまり物事をこねくり回さずに、ちょっとした私の関わりが上質な作品となるようにしたいもの」とコメント。「そのためには感性をいつも磨いていなければならない。厳しいものである」とも。
神戸で行われた企画展を振り返り、「5人の作家が鉄への思いをぶつけ合い、それぞれが放射する熱のようなものを持ち帰った」とする大槻さんは、日本大学芸術学部の助教授。 東京都美術館で、1980年〜1999年に開かれたグループ展「鼓動」など、関東を中心として作品を発表している。「私はここ数年、空間に触発されて作品を作ることが多くなった。そこには、色や匂いがあり、風が吹き抜け、揺らぎ、また人間の営みや歴史があるからだろう」としたうえで、「ギャラリーKINGYOの白い空間の中に、私の感じ取ったそれらを少しでも満たすことができれば」と語る。
日本大学芸術学部などで非常勤講師としての活動も行う海崎さんは、「鉄」に対しての感覚を「日常にはない時間を止めたような存在感」と受け止める。「ものであり続けようとする不快さも同時に持っている」としたうえで、「次第に強くなってくる何かにつき動かされる確信のような衝動がある」と同展への思いを添えた。
サトル・タカダさんは、鉄を中心としたミクストメディア作品などで世界から評価を受ける彫刻家。池、川、砂浜での展示で自然との共生を主としての大型作品を多く発表している。「鉄がイメージする重いとか強いとか重工業的なものが、現代美術において人間復活する位置を模索している」としながら、同展への思いを「人間は遥かな時間を夢想し、創造する事の勤めを果たすべくここに彫刻家が集まる」とまとめた。
自らの活動を「捨てるだけ捨ててしまって、残ったものを表わせ」この言葉を唯一の手がかりとして始めた長いながい鉄との旅」と表す塚脇さんは、2003年に大谷記念美術館(兵庫県)で行われた個展で高さ22メートルの壮大な鉄の彫刻を発表するなど、大型作品での評価も受ける。同展に対しては「次へ向かうためにここにいるのだから」と新たな視野を広げる意図を含めたコメントを残した。
開館時間は12時〜19時(最終日は17時まで)。月曜休館(6月16日、23日は休廊)。6月29日まで。
東京芸大の作家4人が初のグループ展−千駄木のギャラリーで(上野経済新聞)千駄木で気鋭女性作家7人の企画展−秋山祐徳太子さんプロデュース(上野経済新聞)ギャラリーKingyo(2008-06-11)
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