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「少年ケニヤ」の絵物語作家・山川惣治氏-弥生美術館で初回顧展
(2008年04月03日)
紙芝居や絵物語を中心に活躍し、戦後・昭和中期の日本で一大センセーションを巻き起こした絵物語作家・山川惣治氏の初となる回顧展「生誕100年 山川惣治展-戦後日本を勇気づけた少年ケニヤ-」が4月3日より、東京大学・弥生門前の弥生美術館(文京区弥生2)で開催されている。
山川氏は、昭和20~30年代に「少年ケニヤ」「少年王者」などの作品を発表し、終戦後の日本に爆発的なムーブメントを巻き起こし、独特の世界観を持った作品を数多く残した絵物語作家。大自然を舞台に繰り広げられる雄大な物語構成は、終戦時の欠乏の時代を生きる少年たちに多大な影響と勇気を与えた。本の誌面に、紙芝居の絵と文章を並べて掲載するという、新しいスタイル「絵物語」を確立したことや、劇画調のタッチと迫力あるストーリー展開で、当時の少年少女から多くの支持を受ける。本格的な作家デビュー以前に製作された紙芝居作品「少年タイガー」は、それまでの紙芝居作品の中で圧倒的な人気を誇っていた「黄金バット」を抜いたといわれている。
戦後から活躍を続けているアーティストである画家の横尾忠則さん、「明日のジョー」の作者・梶原一騎さんらも、少年時代に見た山川さんの作品から多くのインスピレーションを受けたと語っている。
同展は、「少年王者」からスタートする。山川さんの年表に沿って、パネルや当時のインタビュー記事と展示作品を交えて展覧することで、その背景や思想に迫る。墨を使い、細やかなラインが密度濃い描き込みで作られた白と黒の世界で表された作品「密林(ジャングル)の王者」など、未発表作品約30点を含む400点を展示する。
同美術館・文芸員の中村さんは、山川氏の回顧展がこれまで開かれなかった理由として、「発見されている作品数が少なく、また山川さんが生前に描き残した作品の所在が不明確だったため、企画を立てるのが困難だった」としたうえで、「昨年6月に山川さん宅が引っ越しを行った際に、生前描きためられていた作品などが多く発見されたため、今回の個展開催が実現した」と振り返る。また、「以前から山川さんの個展を開けたら、と思案していたが、ちょうど山川氏生誕100年にあたる今年、開催がすることができることに不思議な縁を感じる」とも。
5月11日には、山川氏の家族らによるギャラリートークも開かれる。開館時間は10時~17時(入館時間は16時30分まで)。月曜休館(4月28日は開館)。6月29日まで。
弥生美術館
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