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ひなたぼっこ感覚の「街売り」イベント-3回目を迎えた谷中「はらっぱ市」
(2008年04月28日)
谷中に開かれている屋外自由空間「貸はらっぱ 音地(おんぢ)」(文京区谷中7)で4月26日、同エリアを中心に活動している表現者たちによる「街売り」イベント「はらっぱ市」が開催された。
同市は、「谷中の街をのんびりと散策する人たちが、ふと足を止めて立ち寄れる空間」をコンセプトにしたフリースペース「音地」を舞台に、谷根千エリア、近隣の地区で活動する表現者たちによって開かれる、「人と人とのつながり」から生まれた催し。
先月の開催に続き、3回目となる同イベントを主催したのは、前回同様、「刃砥ぎ堂」(豊島区)の管野さん。築地の魚市場で包丁砥ぎとして活躍後、本格的に刃研ぎ工の道に進んだ菅野さんは「人との出会いと喜ばれる素晴らしさに生涯の仕事」の命を胸に、台東区、板橋区、豊島区、文京区などで腕を振るっている。出店者に声をかけ、「人と人との輪」から成り立つ「はらっぱ市」を構成、成功に導く人徳を持った大らかさとは打ってかわり、ストイックに刃を研ぐ姿勢は、まさに名工。訪れた人々は覗き込む形で「匠」の技に目を奪われていた。
「はらっぱ市」初出店となる木村さんが手がける「古布きんちゃく 木村」(谷中3)は、リサイクル着物や敷き物などの古布を使い、巾着やバッグなどの服飾雑貨を出品。昭和の時代に作られた花瓶などのインテリア小物などを持ち寄った夫とともに参加した。織り物、染物など、日本各地の伝統的な「和の要素」を素材とし、新たな形として仕立て上げていた。木村さんが製作した「穀物を収納するための麻袋」を生地に作られたバッグを持ったファンが駆け付け、慈しむように並べられた作品に触れる場面も見られ、ブースには作り手と近い距離で和やかな空気が漂っていた。生地として使う着物などは、木村さんの選定によるもので、素材に触れながら、どう作り替えるか吟味するという。木村さんは「着られなくなってしまった状態の着物から汚れのない部分を選定し、他のものに作り替える点では、エコロジーという要素も含んでいる」とした上で、「柄や織りなど、日本古来の風合いを持ち、しっかりとした生地で丁寧に作られている「着物地」を新たな形として、大切に残していきたい」と語る。「作り手の気持ちで作品の表情が変わる楽しさもある」とも。
雑司ヶ谷で「ステンドグラス工房 時屋」(豊島区)を運営する榎本さんは、前回同様に大型作品を製作する際に生まれた破片をアクセサリーにリメークし、手に取れる大きさに作り替えたものを出品した。二度と同じ色味とはならないステンドグラス制作には、地道なプロセスがある。榎本さんが得意としているのは、ガラスに特別な顔料で絵画のように絵付けをする「絵付け技法」。この技法を使い、榎本さんは現在までに、数百年前のアンティークステンドガラスを数多く復元してきた。光彩を意識しての絵付けは、油絵や水彩の描き方とは異なる繊細な作業過程となるため、国内でこの技術を持つ職人はごく少ないという。イギリスにあるソールズベリー大聖堂のステンドグラスに心を奪われてから、ステンドグラスという工芸の道に進んだ榎本さんの活動は、舞台装置製作、ステンドグラス教室など多岐にわたる。
前回から参加し、歴史の趣を秘めた骨董品や日用品を扱う「闇猫雑貨店」の出品物は、ほとんど同店主を慕う人たちからの提供によるものだという。団子坂上に店舗を構えるパン屋「パリットフワット」(千駄木1)は、天然酵母を使用したパンを紹介。国内産小麦粉や有機栽培のブラウンシュガーなど、素材にこだわって作られたもの。生地に練乳やブルーベリーが練り込まれた家庭的な風味のパンは、市全体の優しい雰囲気に溶け合っていた。 一戸建て住宅の二階を使って店舗を構える古道具店「不思議(はてな)」(千駄木2)のブースには、昭和の広告媒体として広く利用された、純喫茶、ジャズ喫茶、レストランなどの「マッチ」など、レトロ色濃いアイテムが並んだ。介護保険サービスなどを運営するNPO法人「やすらぎ」(豊島区)の出品物は、同団体を囲む人々からの寄付などによるものが中心。
同敷地区画を囲うように咲いた、タンポポの花を指して「こういう自然の四季が見えて、それが会場の一部になるのも、この場所のいいとこ」と、「音地」の運営を手がける代表の牧住さん。谷中近隣を上手に歩くためのマナーなどが添えられた自作の「街歩き地図」を立ち寄った人々に手渡す姿から、同地区に根を張り、またそれを大切に思う大きな優しさが伝わる。
昼過ぎから雨模様となったため、「ひなたぼっこ感覚で立ち寄ってもらえれば」(主催の菅野さん)という名目の下開かれた「はらっぱ市」は閉幕した。
「音地」ではゴールデンウィーク期間中、「フリマルゴin音地」(4月29日)、「HAPPYF∞D in 音地」(5月3日)などが予定されている。
第2回「はらっぱ市」-谷中の自由空間で街と一体化したイベント(上野経済新聞)貸しはらっぱ音地
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