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東京芸術大学、産学連携で開発の油絵の具「油一」を一般販売へ

(2008年06月03日)

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東京芸術大学、産学連携で開発の油絵の具「油一」を一般販売へ

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既存の油絵の具の概念を覆す「油一」

 東京芸術大学(台東区上野公園)は、ホルベイン工業(大阪府東大阪市)と産学連携により開発した油絵の具「油一 YUICHI(ゆいち)」の一般向け販売を5月8日より開始し、美術界で話題を集めている。

 5年の歳月をかけた共同研究の結果生まれた同商品は、「彩度が高く、発色が鮮明」「着色力が高く、混色しても濁らない」「透明性が高く、下層が透ける塗りができる」「粘性が強く、吸いつくように濡れ、なめらかさがある」「乾燥に無理がなく、硬く固着する」などの特徴を持つ。油一は、「今現在、日本で一般的に使われている油絵の具作品の『塗りを重ねると色彩が不鮮明になる』『重たくべったりとしたもの』などのイメージを一新する要素がふんだんに詰まった新しい『絵の具』に仕上がっている」(同大関係者)。

 同大学創立120周年の本年に合わせてリリースされたことや、昨年度のグッドデザイン賞・コミュニケーションデザイン部門を受賞するなど、純粋な「画材」としての評価以外の部分を主として、美術系のメディアを中心にクローズアップされがちな同商品。「(価格が高いこともあり)プロの画家がステータスとして使用するような、高級感をアピールするための画材なのでは」といった一般層からの声もうかがえる中、同商品の開発スタッフで総合プロデュースを手がけた大西准教授(同大学美術部油画技法材料研究室)は「多くの人に、油絵の具が持つ『本来の感触や可能性』を体感してもらえれば」と作り手としての挑戦意識を交え、真っすぐなコンセプトを語る。また、ヨーロッパを中心に伝統的に市場が形成されてきた「油絵の具」マーケットに対する「アジアからのブランド」としてのアピールも込めているという。

 低コストで大量生産され、現在の日本で認知されている「油絵の具」で描かれる「現代の油画」に圧倒的な透明感とさらなる奥行きを持たせることのできる「油一」は、純粋に顔料と亜麻仁油を練って作られており、市販の油絵の具の約3倍の顔料が使われている色も存在する。製造過程でも、材料を混ぜ合わせる際に最新テクノロジーを使った機械を使うなど、細部まで徹底的にこだわった。外装では、チューブのパッケージは「描き手が手に取ったときに感触を確かめられるように」とアルミを避け、素材にスズを使い、下側部分の閉口も人の手によって一つずつ折り込まれている。カラーが記されたラベルも、手作業で貼っている。

 既存の絵の具には多くの添加物が練りこまれる。そのため、例えば「コバルトブルー」でも、メーカーごとに趣向が生じるため、多くのコバルトブルーが存在してしまうことになるという。「油一」は、「文明開化前の『油絵の具』、元来もともとの油絵の具が持っているリアルなカラー、忠実な色味や質感を持っている」(大西准教授)。「作者自身の可能性はもとより、日本の油絵作品の可能性が広がる」(同)とも。

 価格は、23ミリリットル全30色セット=131,250円、同12色セットA=53,550円、同12色セットB=49,350円。

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