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下谷・まんねん堂で「金花糖」の製造ピークに-社長自らが伝統継承に奮闘

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下谷・まんねん堂で「金花糖」の製造ピークに-社長自らが伝統継承に奮闘

江戸駄菓子「まんねん堂」の「金花糖招き猫」

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 入谷駅近くの江戸駄菓子店「まんねん堂」(台東区下谷2、TEL03-3873-0187)では、桃の節句を前に「幻の駄菓子」と呼ばれる「金花糖」の製造がピークとなっている。

 金花糖は煮溶かした砂糖を型に流し込み、冷やし固めて彩色した砂糖菓子。製造には、気温が低く乾燥した寒い冬が適する。江戸時代から作られてきたとされ、歌川豊国の浮世絵にも登場する。もともと、桃の節句や結婚式の引き出物に使われてきた。

 同店3代目社長の鈴木真善さんは約10年前、都内で唯一の金花糖店だった錦糸町の「奈良屋」が閉店する際、道具一式を受け継いでいた。今は日本で1~2軒しか扱っていないといわれる。「壊れやすく繊細なお菓子で、一つ一つ手作業のため生産性や効率を考えてはできない。これまでこの世から消滅する技術や道具や菓子を嫌というほど見てきた。金花糖を広めるのは自分の使命。継承して事業を起こすことが最優先」と決意し、「採算を得ることも職人を雇うこともできないので、まずは自分が、昨年から小売り・卸業務の合間に金花糖を製造することにした」という。

 とはいえ、職人ではない鈴木さん。「試行錯誤の連続。江戸時代から製法が変わらず、砂糖と水だけで作るが、その日の湿度、気温、天気、体調、木型によって色や固まり具合が変化する。師匠の指導は仰いだものの実を言うと分からないことだらけ」と話す。一般的な形は、タイやエビ、マツタケやサザエなどの食べ物で、中には彫師の見事な技術が反映された木型や「伊勢夫婦岩の日の出」「大当たりタコ」「大砲と兵隊さん」「バイクに乗った男の子」「ハイハイする赤ちゃん」とユニークなものも見受けられる。

 主な商品は、金花糖の中でも作るのが難しいとされる招き猫「金花糖招き猫」(小=約6センチ420円、大=約13センチ1050円)、縁起物の盛り合わせ「金花糖籠盛り」(5個入り1,050円~)など。購入希望者は電話か同店公式ウェブサイトからメールで予約が必要。

 「金花糖には何とも言えない趣がある。懐かしいと涙ながらに買い求めてきてくれる年配の方や、サイトを見て初節句のお祝いにという若いご夫婦も。現状はひな祭りのお飾りとしての利用が多い季節菓子だが、誕生日や入学・卒業のお祝いなど慶事菓子として広く世に出したい。まずは知ってもらうことから」と鈴木さん。

 営業時間は9時30分~19時。土曜・日曜定休。

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