上野公園でデング熱感染の可能性-台東区が調査、「ウイルス検出されず」
埼玉県内の女性が上野公園で刺された蚊によってデング熱に感染した可能性が明らかになったことを受け、台東区が9月、同地の蚊を採取しデングウイルスの保有検査を実施した所、ウイルスは検出されなかった。
これまでに代々木公園、新宿中央公園など都内6カ所で140人以上の感染が確認されているデング熱。上野公園で感染の可能性がある女性は、大噴水周辺のベンチに座っている時に蚊に刺されたため、この周辺を中心に19日に蚊の採取を行うとともに、薬剤散布による駆除を実施。東京都健康安全研究センターにて採取された蚊を検査したものの、デングウイルスは確認されなかった。
22日の上野公園は、平常時と変わらない人出でにぎわいを見せていた。デング熱に対する対策として、「1時間に一度の園内放送とともに、100カ所以上に看板を設置し注意喚起を行っている」と上野公園を管理する東部公園緑地事務所。看板については、日本語のみならず外国人観光客にも対応するため、「Be careful with mosquitoes!」などと書かれた英語表記のものも掲示して注意を促している。また「現在のところ、上野公園を閉鎖するなどの対策は考えていない」とも。
台東区議会議員の青柳雅之さんは「報道によって『上野は危険』という風評被害が広まることを危惧している。デング熱はほかの感染症に比べて感染力も低い。事実をしっかりと説明し、理解を促していきたい」と話す。