上野の子ども図書館で「世界のバリアフリー絵本展」 点字迷路、布絵本など
上野公園内の「国立国会図書館国際子ども図書館」(台東区上野公園12、TEL 03-3827-2053)で8月16日、「世界のバリアフリー絵本展2015」が始まった。
過去4年間に出版された図書の中から、各国の国際児童図書評議会(IBBY)が推薦し、IBBY障害児図書資料センターが選定した世界21カ国の図書50作品を展示する同展。
日本からは「さわるめいろ」「むし」「サンドイッチいただきます」「アイちゃんのいる教室」の4作品を選出。展示図書は手に取っての閲覧できる。
館内では、手話や点字を添えた「配慮(スペシャルアプローチ)」、障がいの有無に関係なく楽しめる「共に(ユニバーサルアクセス)」、障がいを持つ人のことが書かれた「理解(ポートレート)」の3つのカテゴリーに分けて作品を紹介する。
バリアフリー絵本は「障がいのある人にどのようなサポートができるか」との観点で作られており、点字学習だけでなく、ファスナーの開閉やボタンの付け外しなど、日常生活で必要な動作を楽しく学ぶためのさまざまな工夫が施されている。このほか、紙に色をつけ、行間を広くとって行末をそろえずに書くことで、読みやすく配慮された本も並ぶ。
同館展示係の見形宗子(みかたひろこ)さんのお薦めという「さわるめいろ」は、日本古来の模様を描いた線の一部に点が刻まれおり、迷路になっている。広報係の福井千衣さんのお薦めは、イギリスの絵本「しーっ!ひみつのさくせん」で、鳥を取り逃がした4人組の話が鮮やかな絵柄で描かれている。
見形さんは「外国の言葉に触れるだけでも楽しい。いろいろな本を見て触ってほしい」と話す。福井さんは「読み物としてハッとするものも多い。バリアフリー絵本がどんなものか知り、世界に広がってくれたら」と話す。
「IBBY」は1953(昭和28)年に「子どもの本を通じて国際理解を広めよう」との思いから発足。現在77の国と地域が加盟している。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。入場無料。9月4日まで。