根津でアウトサイダーアートのグループ展 70代作家ら4組による「カオス」
根津の「ギャラリー・マルヒ」(文京区根津2、TEL 03-5832-9911)とアンティークショップ・エキスポ(台東区池之端4、TEL 03-3824-6899)の2会場で2月25日より、「空想キングダム」が開催される。
ダンボール箱などに独自のキャラクター「天子」を描く長恵さんの作品
同展は、4組のアーティストが参加するグループ展。広島のアウトサイダーアート専門ギャラリー「クシノテラス」を主宰するアウトサイダー・キュレーター、櫛野展正さんがキュレーションを手掛けた。
両スペースオーナーの鴻池綱孝さんは「アウトサイダーアートは日本では障がい者の方によるアートだと誤解されがちだが、大ざっぱに言うと美術教育を受けていない人たちによる表現。ただ、今回参加する4組の作品のクオリティーは高い。美大を出ていたりアートをやっていたりする人こそ刺激を受け、初期衝動を思い起こさせられるのではないか」と話す。
ギャラリー・マルヒでは、栃木県で自作のマスクやチャンピオンベルトなど2万点以上を展示するものの、ほとんどの日が休館日という「創作仮面館」館主、ストレンジ・ナイトさん、2006年にパーキンソン病が判明してから絵を描き始め、ダンボール箱などに独自のキャラクター「天子」を描く長恵さん(74)、72歳ごろから自宅の外壁や室内に色鮮やかな絵を描き始め、同展では絵を描いた小さなげたなどを出展する小林伸一(77)さんの作品を展示。アンティークショップ・エキスポでは、自らが「創造主」となり独自の創生神話の世界を樹脂粘土のフィギュアで表現するなお丸さんの作品を展示する。
両会場内には、天井の高さまで壁いっぱいに密集して作品が飾られている。「普段これらの作品が置かれている作家たちの仕事場や住居のカオスな雰囲気を再現するよう心掛けた。この空間を体験しに来てもらえれば」と鴻池さん。25日・26日には小林さんによる滞在制作、26日には櫛野さんによるトークイベントも行う。
開廊時間は12時~20時。月曜休廊。入場無料。