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東京国立博物館で初の「アイデアソン」 外国人の記憶に残る文化体験をテーマに

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東京国立博物館で初の「アイデアソン」 外国人の記憶に残る文化体験をテーマに

東京国立博物館で初の「アイデアソン」で、アイデアを出し合う参加者の様子

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 東京国立博物館(台東区上野公園13、TEL 03-3822-1111)で3月11日・12日、外国人の記憶に残る文化体験を考えるイベント「トーハク×アイディアソン」が行われた。主催は、同館、電通国際情報サービス、クウジット。

「アイデアソン」トークショーの様子

 当日は、ファシリテーターとして佐藤尚之さんを招き、はじめて日本の文化に接する外国人客に記憶に残る文化体験をしてもらうために、「ICTは博物館で何ができるのか」について考えた。エンジニア、クリエイター、プランナー、日本在住の外国人など29人が参加。5歳の男の子と一緒に参加した母親の姿も見られた。アイデアソンは、1チーム5~6人で5つのチームに分かれて行われた。

 初日の午前中は同館研究員による館内ツアーに参加し、午後はアイデア出しに専念。2日目の12時までにアイデアをまとめ、午後は一般客を招いて発表会を行った。発表会には審査員として、ドイツ人の父と日本人の母をもつフリーアナウンサーのサッシャさん、美術ライターの橋本麻里さん、東京大学情報学環教授の暦本純一さん、同館副館長の松本伸之さんが参加した。

 最優秀賞を獲得したのは「等伯チーム」のアイデアで、自分が足を止めて鑑賞した作品や場所が、ポケットにしまったままのスマートフォンに自動的に記録され、鑑賞後や休憩中にそれらがヒートマップ状に表示されるという「あとから博」。他のチームがARやVRを使ったアイデアが多い中、デバイス越しに展示作品を見るのではなく、じっくり見るという当たり前の鑑賞方法を生かした点が高評価につながった。同チームには、松本副館長から賞状と同館の年間パスポートが贈呈された。

 表彰式後には、佐藤さんと審査員によるトークショーが行われ、松本副館長は「最優秀賞に限らず、皆さんの考えてくれたアイデアを少しでも取り入れられるよう精進していきたい」と話した。

 同館教育課の小林牧さんは「この2日間で皆さんが出してくれたものの中には、自分たちでは全く気付かなかった視点やアイデアがたくさんあって、私たちにとっても、とてもいい勉強になった」と話す。「一般の方々にこれだけ真剣に当館のことを考えていただけて、とてもうれしい」とも。

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