入谷に「学生八百屋SUN」-学生農業サークル、青果卸とコラボ出店

「学生八百屋SUN」の名前の由来は、ノリで決まったと言う橋本さん(左)。中森さん(右)は「孤食や中食がクローズアップされる中で、食卓が明るくなれば」と話す。店の一押し商品はプルンとした黄身が特徴の「朝どれ卵」(6個入り250円)。
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言問通り沿いの入谷中央商店街にある「学生八百屋SUN」(台東区北上野2)がオープンから3カ月を迎える。オープンは4月26日。
青果卸を営む川久(千束4)が倉庫兼事務所の営業所として使っていた約20坪の店舗では、有機農産物を中心に、千葉県産のキャベツ(280円)やコマツナ(220円)、小田原産のバレンシアオレンジ(120円)、朝どれ卵(6個入り250円)など30~40種類の野菜や加工品、日配食品をそろえる。
立ち上げメンバーは、入谷の商店街で「昔の音が聞こえる街」を主催していたイベント企画・運営団体代表の橋本宏基さんと、現在東京農業大学在学の中森剛志さん。「もともと農業や栄養などを専攻する都内の大学生が中心になって活動する団体のプロジェクトで、中山間地域で果物を生産する農家の支援する活動をしていた。橋本さんから川久の空きスペースの存在を知って八百屋をやりたいと思った」と中森さん。
農業をアピールしたい中森さんと、若者に農業を担ってもらい青果店業界の活性化を目指す川久の意向がマッチし、今年2月にコラボ企画がスタート。約2カ月半の準備期間を経てオープンこぎ着けた。今後は、農家から直接買い付けを行いながら品数を増やしていく予定。生産者がイベントを行えるスペースとしての活用も計画する。
「下町だから値段は安い方がいいと聞いていたが、実際は少々高くても有機野菜を選ぶという人も多い。売り上げも重要だが、一人ひとりとの会話を大切にしたい」(橋本さん)、「入谷は下町気質で人とのつながりが濃い。開店して2カ月しかたっていないのにファンという人もいる。これからも地域に密着した八百屋を目指したい」(中森さん)と、それぞれ意気込みをみせる。
営業時間は9時30分~19時。土曜・日曜・祝日定休。