上野駅に復興支援クリスマスツリー、被災地で作ったオーナメント飾る
JR上野駅・中央改札コンコースに現在、クリスマスツリーが展示されており、東日本大震災の被災地で作られたオーナメントが飾られている。
被災地で作られたオーナメント
オーナメントを作ったのは、岩手県久慈市、陸前高田市、宮城県石巻市で震災により仕事を失った女性たち。東日本大震災の被災者を支援する一般社団法人「チームともだち」(埼玉県吉川市)の活動の一環で、「グランマ」と呼ぶ被災地の女性たちにオーナメント作りを依頼、販売することで、仕事の創出と心の交流を目指す。材料には、オーガニックコットン製品を作る過程で出た残り布を使っている。
ツリーはアトレ上野(台東区)が、東日本旅客鉄道(新宿区)東京支社、仙台支社、上野駅の協力の下に設置。ハートや星形のオーナメントはツリーに飾るほか、各ショップの店頭や館内のクリスマスの装飾に使う。アトレ上野販促グループの泥谷清美さんは「上野駅は東北と密接に関係しており、多くの東北のお客さまに支えられてきた。オーナメントを通して復興支援につなげたい」と話す。
11月22日には石巻市北上町大指地区のグランマ7人が上京し、上野アトレの各ショップスタッフと一緒にオーナメントを作成した。参加者の一人、石巻市在住の老川純子さんは「上野駅に飾られたオーナメントを見たときには感激した」と話す。さらに、老川さんは「もともと漁場でワカメの芯抜き作業に関わってきたが、震災で仕事を失った。今年6月、気持ちが荒(すさ)んでいたところに、オーナメント作りの話が来た。手芸の経験などないし、初めは『無理だろう』と思っていた。しかし集まって作業をしているととても楽しく、だんだん皆が明るくなってきて視野も広がった」という。「最近では、『失ったものも大きいけれど、得たものもあるね』と話し合うまでになった」とも。
ツリー設置は12月25日まで。